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#141:米国でお任せスシを

WSJによると、米国の鮨店で「お任せ方式」が広まっているという。
記事では、客の言い分をはねつけたり、耳障りなルールを課す店主の横柄な態度を紹介しながら、こうした奇妙な日本文化を受け入れる米国人もいる、と「いじめっ子」のような鮨職人(Sushi Bullies)を容認している。

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このような傾向は、予約がなかなか取れないマンハッタンの中級以上の人気店ではすでに見受けられた。10年ほど経ってもいまだに衰えない米国でのSUSHIブームによって、眼に余るフェイク・スシが氾濫したため、それらの店との差別化のためにプライドを持った店主が主張しはじめたということだろう。

彼らは、米国における鮨のクオリティを保ちフェイク・スシで満足している客を啓蒙する役目も果たしているようだ。

たとえば、鮨からわさびを取り除こうとする客には注意をし、醤油やポン酢の量を厳しくチェックする、鮨は手でつかみ、腕を半回転させてネタ側に醤油を付けさせるなどと、文字通り「箸の上げ下ろし」まで指導する店もある。

私の言う「フェイク・スシ」とは、店頭に祭りちょうちんや場違いなのれん文字を飾って、いかにも日本風の店構えをし、ネタは米国人好みの派手なデコレーションを施して味は二の次といった鮨を出すところ。

つまり、日本の食文化としての鮨をうわべだけ真似てSUSHIブームに便乗しているような店だ。経営者や板前さんの人種は関係ない。日本人が握るフェイク・スシもあるだろうし、フランス人や中国人が握ったからといってフェイクとは限らない。それは、フランス料理や中華料理でも言えることではないだろうか。

以前、ブログにも書いたが、フェイクなスシ店を排除することはできないし、そんな必要はない。ましてや、農水省が「正しい日本食」にお墨付きを与えるなどおこがましいにもほどがある。(おせっかいな行政は、甘えん坊の国でしか通用しないのだ!)

ニューヨークには、フェイク・スシで満足している人もいれば、日本の食文化に精通し、鮨本来の滋味が分かる米国人もいる。『鮨は江戸前に限る』なんて未だに言っている日本人の眼からウロコが落ちるような素晴らしい鮨を米国で味わうこともできるのだ。

ところで、こんな話を思い出した。
ニューヨークに住む鮨好きで小心者の米国人青年が、ネタの名前や板前さんとの日本語での会話をにわか勉強し、思い切って高級店のカウンターを予約した。

よりによって、オーダーするときだけ英語で「economy」と注文したものだから、板前さんは日本語の「okonomi」(お好み=お任せ)と勘違いしたらしく、勘定の際には結構な金額をチャージされてしまったということ。これぞ「鮨ネタ」。



すし【鮨,寿司】
sushi : a type of Japanese food consisting of pieces of raw fish eaten with cooked rice

鯖(さば)mackerel
鯵(あじ) horse mackerel
鰯(いわし) sardine
赤身 とろ fatty tuna [fatty flesh of tuna fish] / tuna belly
中とろ medium fatty tuna
鮪(まぐろ) tuna
鰹(かつお) bonito
鰤(ぶり)・はまち yellowtail・young yellowtail
白身魚 whitefish 鯛(たい) sea bream
平目(ひらめ) flatfish / turbot
鱸(すずき) sea bass
鮭(さけ) salmon
穴子(あなご) conger (eel) / sea eel
鮑(あわび) abalone
帆立貝(ほたてがい) scallop
赤貝 ark shell
海老(えび),烏賊(いか),タコ 甘海老 sweet shrimp
海老 shrimp
蝦蛄(しゃこ) mantis prawn [shrimp]
烏賊(いか) squid / calamari
蛸(たこ) octopus
卵等 イクラ salmon roe
数の子 herring roe
雲丹(うに) sea urchin
玉子(焼) omelet(te)
かっぱ(巻) cucumber
おしんこ(巻) pickled radish
山葵(わさび) Japanese horseradish
醤油 soy sauce
by clairvoyant1000 | 2008-10-31 20:40 | 4)牛肉とbeef


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