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#148:レイオフされたひとへ

世界同時リセッションによって、日本でも雇用問題が世間を騒がせている。

#148:レイオフされたひとへ_a0003694_14422732.jpgTVをまったく見ない私でも、ネット・ニュースのヘッドラインと、ストリーミングのNHKラジオ・ニュースで、いま起こっている大筋のことは把握している。

おそらく大方の報道は、「派遣社員が被害者で気の毒」という視点での論調だろう。マス・メディアが弱い者の味方を装うのは、それが一番無難なスタンスだからだ。

しかし、ちょっと前までの輸出需要で莫大な内部留保があるにもかかわらず、「百年危機」にこれ幸いと便乗し、株価対策を優先させて従業員を解雇している企業についてはろくな取材も報道もしない。それはそうだ。マス・メディアは、そんな大手企業の広告費で賄われているのだ。これらの企業が「エクセレント・カンパニー」などと呼ばれていることもオカシイ。

偏った情報を垂れ流している「マスかきメディア」に所属する人も、いずれ解雇の憂き目を見るであろうことは、米国をみれば分かる。昨今では、金融関係についでメディア関係のレイオフも増えており、たとえばビジネス・ウィークの発行元であるマクグロウ・ヒルは既に270人を、タイム社も600人の解雇を予定しているという。

広告収入が激減している日本の新聞社やTV局が社員を解雇する際に、どのような報道がなされるのだろう。マス・メディアからレイオフされた当事者とメディア企業とのパーセプション・ギャップが公に晒されることで、日本が抱えている雇用問題というものが浮き彫りにされるかもしれない。



会社を解雇された人に伝えたい。
これを、自立する良いきっかけが与えられたと発想を転換して、違う一歩を踏み出すのはどうだろう。自分を見つめ直し、新たなことに挑戦したり起業したりするのに歳は関係ない。

「派遣労働法」が槍玉に挙がっているけれど、この制度を奴隷制度と取るか、働き方の選択肢ととるかは、その人の意識で決まるのではないだろうか。

うだつのあがらない「会社人間」が得ることのできないチャンスがあなたの目前に開けている。自分を必要としていない会社にすがってまで働く必要はない。あなたの人生はその程度のものではないはずだ、と。

働く場所など探せばいくらでもあるものだ。
たとえば私が携わっている第一次産業は日本の食の自給率を高めるのにも役立つし、素晴らしい体験が得られる。

まさしくいまの日本は「カオス」である。

先の見通しは立たなくても、混沌の中から自分自身の眼で先を見通すことが重要なのだ。
奴隷社員が多数を占める日本社会で、企業にコンプライアンスを求めるのはまだ早い。

しかし、来年は政権交代が現実のものとなる。陪審裁判が始まり、日本国民の意識にも変化が起こる。
そんなことの積み重ねによって企業は変わり、日本も変わっていくだろう。

私には、ゆっくりだけれども民主化への小さな足音が聞こえる。
来年は面白く、文字通りの「新しい年」になるはずだ。
by clairvoyant1000 | 2008-12-26 18:43 | filler


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