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#01:ハイブリッドな広告

タイムズ・スクエア周辺では、従来型のビルボードに加え、LEDにアップグレードしたものが増えたことによって、アナログとデジタルが入り乱れたカオスな状態を醸し出している。絶え間なく変わる数多くの巨大画面の合間で、アナログのビルボードが埋もれずに存在感を保っているのは、LED画面に比べて写真のクオリティがはるかに高いためであろう。そういった意味では、双方に競合関係はなく、むしろ相乗効果すら生んでいるようだ。また、映像の情報量がそのまま比例して人々に伝わる訳でもなさそうだということも分かってくる。

#01:ハイブリッドな広告_a0003694_4324090.jpgそんななか、アナログとデジタルを融合させた広告も登場してきた。携帯電話会社のスプリントによるOOH広告もそのひとつ。米国の通信キャリアーとして、大手のべライゾンやシンギュラーの後塵を拝しているスプリントも、タイムズ・スクエアでは存在感をアピールしている。アイデンティティである鮮やかな黄色のボードに、なんと巨大な携帯電話をくっつけたのだ。

#01:ハイブリッドな広告_a0003694_433516.jpgはめ込まれたLED画面のサイズは、縦が約3.5メートル、横が2メートル強といったところ。コピーは、様々な映像コンテンツが見れることを映像自身で物語っている。この写真は、ちょうど開催中の「NYコレクション」(2006年春夏)を放送しており、道行く人々への街頭TVの役割も果たしていた。

携帯電話の広告というと、どうしてもサービスやディテールに拘りがちだが、そんなことよりも、「スプリントはTVも見ることができる」というOOH本来のシンプル且つ明確なメッセージを伝える役割に徹している。また、街頭広告では常識であるロゴナンバーのトールフリー「1-800-SPRINT1」(1-800-7774681)によって、電話番号を必要なときに思い出して貰えることだろう。

年間約3,000万人が訪れるといわれるタイムズ・スクエア界隈。そこで展開されるOOHは、マスでもニッチでもない独自のメディアとして確立しているが、様々なメディアが融合しつつある現在、メディア・プランニングにもハイブリッドの思考が必要と言えそうだ。(2006年2月4日)

#01:ハイブリッドな広告_a0003694_582946.jpg#01:OOH広告の場所
by clairvoyant1000 | 2005-02-03 07:00 | 7)広告とadvertising


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