アップルと私の付き合いは、1991年から始まった。
ニューヨーク支社で支給されたマッキントッシュ・クラシックIIが最初の出会いだ。
とても可愛くて、頬擦りをしたくなるほどだった。カバーをガバッと開けると、内側に複数の製造者のハンドライティングのサイン(エンボス)が書かれている値打ちものだ。
ダイヤルアップ回線のインターネット(AOL)に接続し、様々なウェッブサイトを見ながら、このコンピューターから世界と繋がっているような気がした。
他のスタッフは早々と帰ったあとの誰もいないイーストビレッジのオフィスで、私はキリン・ビールのTVコマーシャルの見積書を書いていた。
窓の外は雪。どうやら積もりそうな勢いだ。誰かが近くでサックスの練習をしている。いや、このスゥイングはプロのストリート・ミュージシャンかも知れない。
どうしてニューヨーク時代のことを、こんなに鮮明に思い出せるのだろう?まるで、昨日のことのように。
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彼の悲報をラジオのニュースで聞いて、すぐに彼が作った名器「クラシックII」のことを思い出したのだ。
天才は、思う存分に生きた。
そしていい時に死んだのだ。
ジョン・レノンのように。
スティーブ・ジョブス。
私は、あなたからのメッセージ
「Think Different」を大切に
そして自分も
常にユニークでありたいと思っている。