先月の日米首脳会談で、ブッシュ大統領は小泉氏に米国産牛肉の輸入再開に向けた政治的決断を迫った。これに対して「輸入再開は科学的に判断する。日本政府としては応じない」と答えたという。なるほど、小泉氏も米国に何でもイエスマンではないことを証明した訳だ。
しかし、可笑しな話しである。
安全だけど安心じゃないということで全頭検査を行った日本政府。これはまさしく「政治的判断」ではないのか?
日本には、食の「安全」と「安心」を混同して使っている人が多い。これぞ『バカの壁』だ。「安全」は根拠に基づく客観的なものであり、「安心」は主観的なものである。この違いが分からないことこそ「危険であり心配」だ。そもそも「安心」とは、
消費者が行政を信じるところから生まれるもの。科学的に根拠が無い全頭検査を続けるかぎり望めるべくもない。無知な人々は、こんな食行政を「我々のために行っている」と信じているところが嘆かわしい。そして一部のバカは、BSEと新型ヤコブ病のリスクを混同して怯えているだけである。
そろそろゼロリスクの夢から覚めて、自分自身が払うことになる費用とその効果について冷静に考える必要がある。納税意識の低い人は、検査にいくら使われようが自分の財布は痛ないと思っている。これだから官僚はやりたい放題となり、そこに
利権が生まれるのだ。