カテゴリ:2)媒体とmedia( 79 )

台風の日曜は図書日和



どうやら台風12号は、この島の真上をゆっくりと北上しているようだ。こんな日は本を読むに限る。ということで、台風の眼が通過中の晴れ間を狙って島の図書室に本を借りにいった。

けして蔵書は多くないけれど、たいがいの本は島根県内の図書館から取り寄せてくれるし、見つからないものは購入してくれるのでとても助かっている。新築されて素敵になった島の図書室は、私にとって快適で落ち着ける空間である。

頼んでおいた南方熊楠の「十二支考」は未だ届いていなかったが、「フェイスブック - 若き天才の野望」ほか4冊を借りる。

カウンターで手続きを待っていると、雑誌コーナーに立て掛けてある表紙の写真が眼に飛び込んできた。そういえば先々月、二人の雑誌スタッフが「鎮竹林」(竹林間伐ボランティアグループ)の取材に来ていたっけ。

マスメディアの仕事から決別した者としては、当然のことながら「上澄み掬い」の取材も拒否してきたわけだが、3年前の暮しの手帖の時と同じくコンセプトには共感できる部分があったし、私個人への取材ではなかったのでOKした。


3-11を経験したことで「考え始めた人」が、仕事を代え、居を移し、環境を代え、自分を見つめ直すことがあってもいいかもしれない。ただそれだけのことだ。ブルータス(715号)
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by clairvoyant1000 | 2011-09-04 19:12 | 2)媒体とmedia

10年遅れのパラダイム・シフト

「3-11」が、日本におけるメディアの*パラダイムに大きな影響を与えていることに気付いている人はどれだけいるだろうか?

おそらく、このカオスな状態が収まり(収まれば良いが)、小康状態になった頃(いつになる?)に自然と知れ渡ることだろう。


それは、日本人のメディア・リテラシーが「3-11」を境に間違いなく高まっているということだ。その証拠に大方のCGMユーザーにとって、ブログやツイッターが「日記のようなもの」ではなくなり「自分たちのメディア」として認識されはじめた筈である。

私はニューヨークで「9-11」を体験し、同時にブログが爆発的に普及した経緯を目の当たりにした。そう、ブログが世界的に広まったキッカケは「9-11」なのだ。

2001年、同時多発テロの発生直後、ニュース系のウェッブ・サイトにはアクセスが殺到し、ほとんど接続できない状況が続いて役に立たなかった。それを補うように、現場の状況と共に個人が撮影した写真や映像がブログに公開され、どこのウェッブ・サイトに行けば有用な情報を得られるかがやり取りされ、マス・メディアの情報源としても大きな威力を発揮した。

しかし、ブログが爆発的に普及したのはなにもオルタナティブ・メディアの役割を担ったことだけが理由ではない。人間の本能として、自分のやりきれない心境を公開することで癒されたり、その気持ちをほかの人と共有したいという思いが繋がってブログをここまで育て上げたのだと私は思っている。玉石混淆ではあるけれど、様々な人の意見を知ることで新たな発見もある。

いまから5年前。私は、ブログが日記として認識されている日本に「平和な国民性や世相を反映しているなあ」と皮肉を込めてブログに書いた。

徴兵制度も地域紛争もない、テロリストの標的にすらならない平和な国、日本。その代わりでも無いのだろうけれど、大地震が起こる。大津波が来る。沿岸には「国策」で進めてきたげんしりょくはつでんしょという厄介な荷物がある。そしていま、残念ながら平和とはいえない日本で(だからこそ)メディアはパラダイム・シフトを遂げ、60年代に大宅宗一氏が予言した「TVによる一億総白痴化」も終焉を迎えつつある。

今回の出来事で「ゲンパツ」の情報を取り上げる際のマス・メディアのスタンスというものを(平和を謳歌していた)誰もが気付いたはず。

この期を境に、バイアスのかかった御用報道を鵜呑みにすることをやめ、自分の感性を信じて情報を取捨選択して自らも情報を発信するような人が増えてくることだろう。そうなれば日本は、もっとましな表現の自由な国になるだろうし、今回の大災害も意味があるのではないかと私は思っている。

#100:書くゆえに我あり
#120:たわけ率

*パラダイム(paradigm):ある一時代の人々のモノの見方/考え方を根本的に規定している概念的枠組み。

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by clairvoyant1000 | 2011-04-19 12:40 | 2)媒体とmedia

ブレジンスキー(Mika Brzezinski)!

私が見たときには既に100万アクセスを超えていた。
パリス・ヒルトン関連のニュースの読み上げを拒否したミカ・ブレジンスキーの映像はなかなか面白く、彼女がチャーミングに見えた。

mika.jpgこのように、ニュース・キャスターが比較的自由にコメントできるのはケーブルTV局(MSNBC)ならではだろう。なにしろ、100チャンネル以上のプログラムがある米国では、ニュース番組の選択肢も数多く、報道に型通りのコメントを添えているような番組に存在価値はない。(例えばFOX-TVは保守色を強めて成功している)

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by clairvoyant1000 | 2007-07-01 14:48 | 2)媒体とmedia

ファとドの前後は?

『いまニューヨークで何が流行っているの?』と聞かれても、答えに窮してしまうことがある。私に流行を尋ねている人が求めているものはニューヨークには無いからだ。何故かといえば、その人が知りたいのは「トレンド」(流行の傾向)ではなく「ファッド」だから。

特定のモノやコトがその社会に浸透し普及していく過程にある状態が流行とすれば、最近、宮崎県で発生した鳥インフルエンザは「流行(はやり)病」だし、新知事による無党派現象もトレンドと言えるかもしれない。

いっぽう、ファッド(fad)というのは、気まぐれな一時的流行・熱中のことを指す。昨今の似非健康情報番組の問題を象徴する言葉として「フード・ファディズム」が紹介されていたからご存知だろう。この言葉は、50年以上前に米国で生まれた言葉らしいが、クラス社会(格差社会)のニューヨークにおいてファディズムは発生しにくい環境にある。

日本と米国で流行の概念がちがうから、「その傾向」を教えても日本の人にはピンとこないのだ。にもかかわらず、同じことが廃れた頃に「いま、ニューヨークで流行中!」と、メディアに取り上げられると、とたんに飛びつく人は多い。(そしてネガティブな情報には過剰反応する)

イノベーター理論でいえば、日本では流行の発生から消滅までの段階がなくショートカットするフォロワーズが多数を占めていると思う。

その流行はマスメディアによって作為的に作られるから、爆発的に流行したかと思うと、アッという間に陳腐化してしまうのだ。

「それが流行だよ」と割り切ってしまえばそれまでだけれど、まさに日本は流行を消費する社会である。そして、流行を消費し続けることでトレンドの中心に居られると思う人たちにとって、道案内をしてくれるメディアはまだ有難い存在なのだろう。

日本の流行過程を音階に例えれば、「ドレミ」と「ソラシ」がすっぽり抜けてしまって、「ファ」と「ド」だけの繰り返しということになる。そんな風潮に私は憂いを感じるのだ。(ちょっとこじつけかな?)
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by clairvoyant1000 | 2007-03-10 23:39 | 2)媒体とmedia

究極の広告

老舗お菓子メーカーのウェッブ・サイトは、非常にシンプルで、お詫びの文章とフリーダイヤルの電話番号が表示されているだけだ。不二家はいま、消費者の声に真摯に耳を傾けていることだろう。しかし、事件が起こるまでは、フリーダイヤルの電話番号をこのように表示してはいなかったはず。おそらく数回クリックしても見つけることすらできなかったのではないか?

もしかすると多くの日本企業も、フリーダイヤルを不二家と同じように考えていやしないだろうか?消費者からのコール数が売り上げに直接結びつくような業種(保険、消費者金融、通信販売)は別にして、「お客様係」のような電話をないがしろに扱ってはいないだろうか?

今回の不二家とて、普段からお客様の声を積極的に聞く「姿勢」を持っていたとすれば、このような事件を起こさなかったかもしれない。問題なのは、衛生管理体制以前に、企業としての社会的責任の認識が「甘く」、消費者を「舐めていた」ということ。

企業の存続が問われている極限状況のなか、いま不二家にできるのは「お客様の声を聞くこと」である。このシンプルな不二家のウェッブサイトが、フリーダイヤルの重要性を物語り、企業と消費者との良い関係を結ぶ必要最低限のメディアであることを証明している。

search_02.jpgそして、その際の電話番号は、こじつけの語呂合わせではなく、企業のアイデンティティを表すものを提供してこそユーザー・フレンドリーというものだろう。広告内でウェッブへの検索を促す姑息な手法が増えているが、大きなお世話である。
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by clairvoyant1000 | 2007-01-21 15:20 | 2)媒体とmedia

BLOGについて

厚川氏のブログによる、SHUREのイヤホンのことがずうっと気になっていた。伊藤氏が3年前にブログで紹介してから、iPodユーザーの間で広まり売れ続けているということも興味深かった。機会あって、ソーホーのアップル・ストアに確かめに行ったが、あいにく試聴できる商品は置いておらず、アップルとして積極的には販売していない様子。しかし、売れ筋のE2Cの在庫は多く、店員は「たしかに良く売れている」という。

a0003694_0404928.jpgこのシュアーのイヤホーンのことを、本村庵でウニ蕎麦をすすりながら日本からレコーディングに来た人に尋ねてみたが、誰一人知っている人は居なかった。音楽プロデューサー、広告代理店のCD、有名なロック・ミュージシャン、こういったことには耳が早いと思われるプロダクションのプロデューサーすら知らなかった。それも皆、日本のギョウカイに多いマック・ユーザーであり、iPodを所有しているにもかかわらずだ。
話のついでに、A&F(アバクロ)がなぜ今頃日本で流行っているのか尋ねたら、新宿2丁目辺りからくちコミで広がったのだと鈴木慶一氏は解説してくれた。(なるほど…)

5歳からアップルのマウスをおもちゃにして育ち、早くからiPod ユーザーの息子は、友人からSHUREのイヤホンのことを知ったそうだ。私はといえば、様々な音楽を楽しませてくれるTivoliのラジオで満足しているし、マンハッタンの街を歩きながらイヤホーンで音楽を聴く気はない。Macintosh SEから代を重ね、95年からウィンドウズに「改宗」してから随分経つが、これはライフ・スタイルの変化に依るものだと思う。

a0003694_2463198.jpgしかし何を隠そう、私はSONYのウォークマン(TPS-L2)が世に出た際に、周りの誰よりも早く購入し、皆にイヤホーンで聞かせて悦に入っていたことがある。私が業界かけ出しの頃、当時、広告代理店のディレクターだった阿部氏(現:ロボット社長)から聴かせてもらったウォークマンに衝撃を受け、即座に店に買いに走ったのを覚えている。

現在、くちコミというものはブログによって「距離」や「時間」に影響されなくなった。むしろ、それらのGAPを活かせる時代である。ブログというメディアは、ある事柄をほかの人と共有できるということが最大の効用だと思っている。新し物好きの性格が高じてニューヨークに住んでいる訳だが、私は日本と米国の「距離」や「時間」そして「情報」のギャップを上手く活用して人の役に立てればと思っている。

ブログの役割は、ウェッブ・サイトをより身近にし、既存メディアの補完も果たしているが、情報を分かち合い、共感を得られることこそブログの素晴らしいところだと感じている。

a0003694_0555049.jpg米国でブログが急速に広まった背景を検証すると「9-11」に突き当たる。2001年同時多発テロの発生直後、ニュース系のWEBサイトにはアクセスが殺到し、ほとんど接続できない状況が続いて役に立たなかったことを覚えている。これを補うように、個人のブログでは撮影され写真や映像が公開され、どこのサイトに行けば有用な情報を得られるかなどの情報がやり取りされ、マスメディアの情報源としても大きな威力を発揮した。しかし、
人間の本能として、自分の気持ちを共有したいという思いこそがブログをここまで育て上げたのだと思う。
多くのブログ・ユーザーが事件に対する意見や感想をブログサイトに投稿し、現地の有効な情報を共有するためのネットワーク作りに活用されたのがその証拠だ。

ブログの出現以降を「web2.0」という言い方がなされているが、マス・メディアに携わってきた者としては、「モノクロ・テレビ」から「LCD-HDTV」になった位のインパクトがあると思っている。それにつけても、ブログが「日記」として紹介されている日本に平和な世相を反映していると感じる。
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by clairvoyant1000 | 2006-02-13 00:29 | 2)媒体とmedia

スーパー・アド・ボウル

昨日は、40回目のNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のスーパー・ボウルが行なわれた「スーパー・サンデー」。この日はピッツアのデリバリーが一年で最も多い日であると同時に、ビールや菓子類が一番消費される日とも言われている。きっと、寿司屋の出前も増えたに違いない。

中継が始まった夕方に近所を散歩してみると、普段は人気の中華料理店はガラガラで、ウェイト・スタッフは暇を持て余した様子。コインランドリーやネールサロンにも人影はまばらだった。いっぽう、パブやバーはどこもごった返してみなTVに釘付けでときおり歓声が漏れ聞こえてくる。バーの外でたむろっている人々は締め出された訳ではなく、店内が禁煙のために外で喫煙している人たちだ。(彼らはなんのためにバーに来たのだろう?)

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by clairvoyant1000 | 2006-02-07 02:02 | 2)媒体とmedia

無理があるプロダクト・プレースメント

先日のNYタイムズに、プロダクト・プレースメント(以下PPT)に関する最新記事が掲載されていたのでご紹介。メディア調査会社によると、2004年度に米企業がPPTに費やした金額は、合計で34億5,000万ドル(3,995億円)となった。メディアの内訳は以下のとおり。(ちなみに、2004年の総広告費は2,440億ドル)
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TV:18億8,000万ドル(2,177億円)
映画:12億5,000万ドル(1,447.5億円)
その他:3億2,600万ドル(377.5億円)
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by clairvoyant1000 | 2006-01-04 23:33 | 2)媒体とmedia

米郵政黒字に思う

ニューヨークの生活で鬱陶しいと思うのは、郵便受けに届くジャンクメールが多いこと。半分以上は必要の無いセールスメールだから、読まずに破ってゴミ箱行きだ。しかし、その中に混ざって予期していなかった好きなカタログを見つけたときは嬉しく、ページをめくるのもまた楽しいものだ。(年末は大量のカタログが送られてくるシーズンでもある)このカタログ、ネットでの売り上げが急速に伸びている通販業界において、いずれ消えるだろうと予想されていたがさにあらず、最近では「店頭」「ウェブ・サイト」「カタログ」と、複数の販路を持つ小売業者の間で、ほかの販売方法に消費者を引き込む宣伝ツールとの認識が広がっている。

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by clairvoyant1000 | 2005-12-17 04:45 | 2)媒体とmedia

TVでデジャビュ

いささか旧聞に属する話しだが、今夏、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)の普及がTV視聴に与える影響について3つの調査結果が発表された。それぞれ違う主張をしており興味深い。野村総研は「録画済み番組の平均CMスキップ率は64.3%で約540億円の損失」と試算。矢野経済研究所は「HDDレコーダ利用者はTV視聴が週2時間増、CMスキップ率は約7割」。電通は「DVRユーザーこそコマーシャル・メッセージを浸透させる上で効果的なターゲット・グループ」と結論付けている。

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by clairvoyant1000 | 2005-12-15 22:40 | 2)媒体とmedia