カテゴリ:4)牛肉とbeef( 31 )

#141:米国でお任せスシを

WSJによると、米国の鮨店で「お任せ方式」が広まっているという。
記事では、客の言い分をはねつけたり、耳障りなルールを課す店主の横柄な態度を紹介しながら、こうした奇妙な日本文化を受け入れる米国人もいる、と「いじめっ子」のような鮨職人(Sushi Bullies)を容認している。

a0003694_18515079.jpg

このような傾向は、予約がなかなか取れないマンハッタンの中級以上の人気店ではすでに見受けられた。10年ほど経ってもいまだに衰えない米国でのSUSHIブームによって、眼に余るフェイク・スシが氾濫したため、それらの店との差別化のためにプライドを持った店主が主張しはじめたということだろう。

彼らは、米国における鮨のクオリティを保ちフェイク・スシで満足している客を啓蒙する役目も果たしているようだ。

たとえば、鮨からわさびを取り除こうとする客には注意をし、醤油やポン酢の量を厳しくチェックする、鮨は手でつかみ、腕を半回転させてネタ側に醤油を付けさせるなどと、文字通り「箸の上げ下ろし」まで指導する店もある。

私の言う「フェイク・スシ」とは、店頭に祭りちょうちんや場違いなのれん文字を飾って、いかにも日本風の店構えをし、ネタは米国人好みの派手なデコレーションを施して味は二の次といった鮨を出すところ。

つまり、日本の食文化としての鮨をうわべだけ真似てSUSHIブームに便乗しているような店だ。経営者や板前さんの人種は関係ない。日本人が握るフェイク・スシもあるだろうし、フランス人や中国人が握ったからといってフェイクとは限らない。それは、フランス料理や中華料理でも言えることではないだろうか。

以前、ブログにも書いたが、フェイクなスシ店を排除することはできないし、そんな必要はない。ましてや、農水省が「正しい日本食」にお墨付きを与えるなどおこがましいにもほどがある。(おせっかいな行政は、甘えん坊の国でしか通用しないのだ!)

ニューヨークには、フェイク・スシで満足している人もいれば、日本の食文化に精通し、鮨本来の滋味が分かる米国人もいる。『鮨は江戸前に限る』なんて未だに言っている日本人の眼からウロコが落ちるような素晴らしい鮨を米国で味わうこともできるのだ。

ところで、こんな話を思い出した。
ニューヨークに住む鮨好きで小心者の米国人青年が、ネタの名前や板前さんとの日本語での会話をにわか勉強し、思い切って高級店のカウンターを予約した。

よりによって、オーダーするときだけ英語で「economy」と注文したものだから、板前さんは日本語の「okonomi」(お好み=お任せ)と勘違いしたらしく、勘定の際には結構な金額をチャージされてしまったということ。これぞ「鮨ネタ」。

More
[PR]
by clairvoyant1000 | 2008-10-31 20:40 | 4)牛肉とbeef

#128:魚が消える日

fishcomeout.jpg十代の頃にTVで見た映画「魚が出てきた日」(1967年)がなぜか印象深い。美しい海にカスタネットの乾いた響き。初々しいキャンディス・バーゲン、そしてシュールなラストシーン。

物語はギリシャのとある島。身近に迫っている脅威に気がつかず、無邪気に踊り狂う人々。
どんちゃん騒ぎが最高潮に達した翌朝、あたりの海には数え切れないほどの魚が浮かんでいた…。

話はそこで終わるが、本当に恐ろしいことは「魚が出てきた日」から始まるのだ。
               

昨今の原油高に伴う燃料費の高騰で、漁業関係団体が全国一斉に休漁しストライキをおこなった。これは、漁師が苦境に陥っていることを消費者に知ってもらうためで、私が所属している海士漁業共同組合も賛同した。

しかし、問題の根源は旧態依然とした水産行政にあり、必要なのは日本の漁業を抜本的に変えなければならないということ。具体的には、乱獲同然だった日本の「総量規制」を、欧米型の「割り当て制度」に変えて育てる漁業に転換する。税金はそういうところに投入するべきだ。

そして流通関係や消費者への啓蒙活動も必要だろう。たとえば、日本の外食産業や量販店は常に同じサイズの魚を同じ価格で仕入れることが当然と考えているようだが、そもそも天然資源である魚に画一的な品揃えを求めるのは贅沢な要求である。

メディア報道に右往左往し、見た目やブランドを必要以上に気にする消費者も考えを新たにしなければ、日々大量に廃棄されている魚は浮かばれない。もちろん、生産者による産地偽装などはもってのほかだ。
#55:信じたい物語 (フード・ファディズム)

msc_logo.jpg持続可能な漁業へ転換しなければ、いずれ「魚が消える日」が来るかもしれないと思っていたら、既に「サイエンス」(米国の科学専門誌)が、2048年までに天然の魚介類が壊滅してしまうという旨の調査結果を発表していた。

そのなかで、漁業資源の持続的な利用を訴えてきたサイモン・クリップス(WWF/PRG-Dr.)は、『人類は海からの資源を無尽蔵のものとして利用してきたが、とうとうそれも限界に達しようとしている。この報告は海の危機の度合いをあらわしたものであり、各国政府と産業界が直ちに何らかの方策をとらなければ、水産業界は経済的な打撃を被り、海の生態系全体が破壊されてしまうことになる』とコメントしている。

そこで私はふたたび、アン・モロウ・リンドバーグの「海からの贈物」の一節を思い出す。

海は、もの欲しげな相手や貧欲なもの、焦っているものには何も与えてはくれない。砂を掘り返して宝を探すというやりかたは、せっかちであり、欲張りであり、さらには自然への配慮のない行為である。

海は、柔軟性こそすべてであるということを教えてくれる。柔軟性と、そして素直さ。わたしたちは、海辺の砂浜と同じように空っぽになって、そこに横たわっていればいいのだ。海からの贈りものを待ちながら。

そう、私はサスティナブルな観点から、「オイスター・ファーマー」(牡蠣養殖者)を選んだのである。
[PR]
by clairvoyant1000 | 2008-07-18 08:25 | 4)牛肉とbeef

ドギーバッグを活かせ

廃棄食品リサイクル目標などといっているが、そんなことより、ドギーバッグを活かした方が効果的ではないだろうか。

2006年12月23日のブログ(再)

贔屓にしている日本の洋食屋さんでのこと。ここの店長はビートルズ・ファンらしく、いつ行ってもビートルズの曲が流れている。紅白のギンガム・チェックのテーブルクロスと飾らない店内、客層も庶民的で気に入っている。
 
その夜は、名物の特大ビーフ・カツを頼んだのだが、あまりのボリュームの多さに最後の一切れがどうしても食べられなかった。後ろめたさを感じつつも、『ご馳走さま』と席を立とうとすると、ウェイトスタッフの女性が、『持ち帰りますか?』と声を掛けてくれた。ニューヨークであれば、『ドギーバッグに詰めて』と言えるけれど、日本では変な顔をされるのがオチだと諦めていただけに嬉しかった。
 
Cityharvest.jpgレジを済ませているときに出てきたプラスチック容器には、一切れのビーフ・カツのほかに、新たにキャベツの千切り、レモンスライス、パセリが添えられて立派なお土産用パックとなっていた。このように気が利く店は稀なのではないだろうか? 今の日本のレストランには、食べ残しをテイクアウトできる環境が整っていない。その理由として、食中毒を恐れる保健所の指導があるようだ。これは「自己責任論」という大きなテーマにもかかわってくるが、当分のあいだ日本でドギーバッグは成立しないかもしれない。
 
南アフリカのマータイさん(環境保護活動家)は、日本人の倹約精神をあらわす言葉、「もったいない」の普及に熱心だという。
  
しかし、ニューヨークと東京の暮らしぶりを比べてみると、食に関して「もったいない」ことをしているのは東京のような気がする。
 
「うちの犬に食べさせるため」に、残り物を詰めるからドギーバッグとなった訳だが、豊富な資源があり消費社会の先進国と思われている米国人に「もったいない」という言葉は無くても、倹約精神はこんなところに生きている。
 
Cityharvest-2.jpg食糧の自給率が40%足らずと言われている日本。我々はLOHASという言葉より、まず『もったいない』という言葉の意味を理解してそれを実践していくべきではないだろうか。翌朝、ソースの染みた「ビーフカツ・サンドイッチ」を食べながら思った。
 
貧しい人のために、レストランで余った食料を集めて供給するシティハーベストの広告。TVコマーシャルをクイックタイムで見ることができます。
[PR]
by clairvoyant1000 | 2007-09-11 01:29 | 4)牛肉とbeef

またぞろ「一罰百戒」

a0003694_17321889.jpg
今週のビデオニュースは、「ミートホープが氷山の一角であるこれだけの理由(垣田達哉氏:食品表示アドバイザー)」である。
・小売店は、何故ミートホープを訴えないのか?
・挽肉とは、いったいナンなのか?
・ミートホープの長男はホントに偉いのか?
・マスメディアは、なぜ偏った報道をするのか?
・なぜ、マスメディアは事件の本質を隠すのか?
・内部告発は、本当に機能したのか?
・スケープゴートで終わって良いのか?

More
[PR]
by clairvoyant1000 | 2007-07-17 17:36 | 4)牛肉とbeef

#76:BSE騒動はどこへ?

偽装肉類を出荷していたとされる、苫小牧の食肉加工会社のニュース映像が気になった。

事件そのものは、さもありなんといった類のものであり、どこでも似たようなことをやっていると思ったほうが無難だろう。内部告発した社員も、悪質極まる会社の横暴に苦渋の選択をしたと解釈したいし、このシステムが正しく運用されることによってこそ、会社ぐるみの不正というものが減っていくのだと思う。

私が気になったのは、事件よりも会社入り口の屋根の上に乗っかっている牛のモックアップだ。とても粗悪な作り物で、モックアップと言うよりは「張りぼて」といったほうが相応しい。今回の事件に絡めて言えば、張子の虎ならぬ「張子の牛」といったところだろうか。会社のセンスというものは、こういうところにもカタチとして表れるのである。

さて、なぜ私が牛のデザインにこだわるかといえば、マンハッタンで愛嬌のある牛のアートをたくさんみてきたからだ。

2504.jpgちょうど7年前の夏、様々なデザインをまとった実物大の約500頭の牛がニューヨーク中にあふれた。「COW PARADE」(カウ・パレード)と呼ばれるこのイベントは、世界的に有名なアーチストから小中学生までデザインに参加して牛のアートを展示したものだ。

AT&Tやシティ・グループを始めとする地元企業やレストランなど170以上のグループが支えたイベントのシステムは、スポンサーが1頭につき7,500ドルを支払い、牛にデザインを施すというもの。あからさまな商業的デザインは禁止されており、芸術的、創造的な方法でビジネスの宣伝につなげることのみ許可されているのだ。

1230.jpgことの起こりは98年の夏、スイスのチューリッヒで800頭の牛を陳列して大反響を得たことに始まる。それが話題を呼び、1999年のシカゴでは340頭が街を彩って、およそ1000万人が牛のオブジェクトを堪能した。

ニューヨークでも、観光客のみならず地元市民にも大きな反響を博した牛のオブジェクトはサザビーズで競売され、収益金はスポンサーから得た資金と共にニューヨークの教育や芸術などの目的でチャリティーに回されたという。なお、このイベントは今年の6月17日までミラノで行われていたようだ。

このような文化的なイベントを、ぜひ日本でも成功させたいものだ。え?丸の内界隈でもやっていたって?
[PR]
by clairvoyant1000 | 2007-06-24 07:17 | 4)牛肉とbeef

本当の日本食って?

16年ほど前、「ロー・カロリー」「ヘルシー」といった言葉に敏感な一部の米国人や、食通を気取ってヤッピーが食べていた鮨も、いまや完全にマンハッタンに溶け込み大衆化している。この*小さな島に約1,000店もの「鮨屋」がコンビニエンス・ストアのようにひしめいているのだ。

勿論、なかには「鮨モドキ」のメニューを出している店も少なくない。中華や韓国レストランは客寄せにSUSHIカウンターを設けているし、怪しげなテイクアウト専門の鮨店もそこらじゅうにあるいっぽう、ちょっと摘んだだけで400ドルも取るスノッブな店もある。これらは、日本人が握っている店ばかりではないし、かといって日本人の板前さんがすべて正統の江戸前鮨を握っている訳でもない。
 
80年代に日本に逆輸入され、鮨の定番ともなったカリフォルニア・ロールを編み出したのは、ロスにある老舗の鮨レストランの板前さんだ。当時、東海岸からマグロが入ってくるのは6月から8月の間のみ。マグロに代わるものを探した結果、蟹の赤とアボガドのとろみが選ばれたらしい。のりを内側に入れる巻き方は、外側に黒いのりがついていると、米国人は気持ち悪がって剥がしてしまうので内巻きにしたのだ。

GARI.jpg私が昔から贔屓にしている近所の雅利(がり)さんの創作鮨も、江戸前鮨とはまったくちがうものだ。しかし、味に拘る米国人だけでなく、私を含めた日本人でさえも絶品と認めるに値するものである。

先日の報道では、「正しい食文化の普及」のためにと農水省からお墨付きを与えようと、優良店支援制度を考えているらしいが、私は実現しないと思っている。少なくともフュージョン料理が常識となっているニューヨークでは不可能だろうし、日本人が経営しているレストランとて、こんなお節介を望んではいないはずだ。

『本当の日本食とは、本当の鮨とは○○だ』といってもまったく意味が無い。鮨が普及すればするほど、ピンからキリのいろいろな店が出てくるのは避けられないだろう。それがエスニック・ダイバーシティの街であるニューヨークの良さなのだから。

*マンハッタンは、千代田、中央、港、新宿区を合わせた面積(約62平方km)とほぼ同じ。
[PR]
by clairvoyant1000 | 2007-01-28 12:15 | 4)牛肉とbeef

BSEって何?

a0003694_1216364.jpg
新鮮な手作りソーセージは、やっぱりこの店に限る。アパートからは遠いけど、自転車のフレームはパーキング・ロットにチェーンで結び付けたし、前輪のタイヤをこのように持ち込めば愛車を盗まれる心配は無い。これで心置きなく、ソーセージを選ぶことができる。ところで、何処かの国ではBSEにナーバスになっているようだけど、もっと深刻な問題があるのを知らないのかなあ。
[PR]
by clairvoyant1000 | 2006-01-08 12:28 | 4)牛肉とbeef

インサイダー取り引き

米国産牛肉の輸入再開の公算が大きくなったことを受け、吉野家がストップ高だという。
なんともまあイージーな話である。株などには興味はないが、こんなことは先刻承知である。この「政治の出来レース」によって、きっと儲けた輩(政治家、官僚、農水関係者)は多いと思う。これは一種のインサイダー取り引きだが、お咎めなしなのだろう。やれやれ。
[PR]
by clairvoyant1000 | 2005-10-05 10:05 | 4)牛肉とbeef

いまごろ騒ぐな

最近、TBはすれど私の意見に触れない人がいる。それって何の意味があるのだろう?意味のないTBはしなくて結構。私にとってBSE問題など昨年の時点で終わっており、予想通りに事は進んでいる。もはや議論する興味もない。まもなく米国産牛肉は解禁され、マスメディアは申し合わせたように吉野家に行列する脳天気な若者を取材するだろう。バカ・キャスターのレポート風景も目に浮かぶ。そして、一時的にヒステリックに騒くであろう*ダウナー消費者もいずれおとなしくなり、けっきょく米国産牛肉を頬張るのだ。「済崩し」。これがダメ日本のキーワードである。

*ダウナー消費者
行政を「お上」と呼び、自立できない消費者のこと。
[PR]
by clairvoyant1000 | 2005-05-12 19:14 | 4)牛肉とbeef

消費者も非常識?たしかに。

脳衰大臣時代にBSE問題の張本人だった現幹事長の記者会見である。

>BSE対策について「消費者にも、全頭検査をしても700~800校の小中学校で給食に牛肉を使わないのは非常識という認識を持ってもらうことも必要だ」と発言。「常識を逸脱した消費者の対応も改めていかなければならない」。

More
[PR]
by clairvoyant1000 | 2005-03-06 16:26 | 4)牛肉とbeef