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#25:サマータイムって?

DST2.jpg欧州ではサマータイムとも言うらしいが、米国では、デイライト・セービング・タイム(Daylight Saving Time=DST)と呼んでいる。『日の長い期間に、時計を1時間進めて昼の時間を有効に使おう』という趣旨としてこの方が分かり易い。米国では、4月の第1日曜日の午前2時から、10月の最終日曜日の午前2時まで。この期間、ニューヨークは日本よりも-13の時差となる。(通常は-14時間)

この1時間の調整に混乱しないのかと不思議に思うだろうが、たいした問題は起こらない。というか、世間がアバウトだから柔軟に適応できているのだ。「いい加減」ということではなく「よい加減」といったらご理解いただけるだろうか?米国内に3時間の時差があるのもひとつの要因だし、アリゾナ州のようにDSTを実施していない州もある。つまり、時間はひとつではないという概念が米国人にはあるようだ。

家庭内のなにから何まで時刻を合わせることなどしないし、街中で見かける電光掲示板も切り替わっていたりいなかったりする。どうせ秋になったら、また元に戻すからだ。(ちなみにPCや携帯電話などのデジタル製品に付いている時計は最初に設定しておけば自動補正してくれる)
 
日本政府も、近年中に「夏時間」の制度を導入したい意向のようだ。日中が長くなった分、就業後の余暇を楽しむ時間が増えるので経済効果も大きく、照明や冷房の省エネルギー対策としても期待できることをアピールしている。

おそらく政府は、京都議定書に提言した「2008年~2012年に温室効果ガス排出量を1990年レベルから6%削減」を達成させるための手段と考えているからだろう。地球温暖化防止は国と民間あげて展開するべきだが、果たしてこの制度がその目標にどれだけ寄与するかは疑問だし、地球のことよりもっと重要なことがある。
 
電車のスケジュールに几帳面になるあまり、大事故を起こしてしまった例は、車掌やJRの管理責任よりも日本社会を取り巻く風潮に由るものだと私は思っている。

電車は時刻表どおりに走るものではなく、どうせ遅れるものと思えるような良い加減の社会にならなければDSTを導入しても意味が無い。「デイライト・セービング・タイム」を日本風に置き換えれば、『夕焼けを眺めるゆとりを持とう』ということなのだから。

#46:時間と空間のギャップ
by clairvoyant1000 | 2006-04-03 13:43 | 8)文化とcalture


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