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#40:どこまで行くのか

1121.jpgこのところ、ますます過熱化している地下鉄の広告合戦。中でも航空会社はハイシーズン直前にそれぞれのキャンペーンを大々的に展開中だ。

デルタ航空が展開するヨーロッパ旅行キャンペーンは車両内(ドア部分も!)のスペースをシール状の広告でピタリと埋めて話題に。地下鉄構内のポスターにはニューヨークの地下鉄窓から、ニース、ベルリン、ブタペスト、キエフなどの美しい街並みを眺めた構図の写真を使用している。一方の新進ジェットブルーはあくまで国内にこだわる。ブルーを基調にイラストで、シアトル、ボストン、シカゴと目的地を流れるように並列し、最後に目は「ジェットブルー」のロゴに行き着く仕掛け。

コンチネンタルはコンベンショナルにロゴ+文字のみの余計なものを省いた直球広告。TOKYO KONICHIWA(これではコニーチワになるが)、HAWAII ALOHAといった具合に世界のHELLOで旅ごころを刺激しようとしている。

地下鉄構内では、壁はもちろんのこと、柱なども当たり前のように広告のための空間になっている。車両もドア、窓枠、天井までも広告スペースとして開放された。日本のような中吊りはまだないが、このほど、新しいアイデアが浮上している。駅だけでなく、暗いトンネルの壁面に広告空間を作るという案だ。
 
この技術は米国で開発されたものだが、東京メトロの銀座線(溜池山王/赤坂見附間)では一足早く採用されている。地下鉄メディアを扱っている広告代理店の担当者に聞いた話として、2年前、「エイリアンV.S.プレデター」の映画の告知にピッタリだと提案したが、東京メトロ側から『お年寄りが驚いて腰を抜かす恐れがある』との理由で却下されたという。--私も、とてもよいアイディアだと思ったが、このような広告を容認できない「世論」というものが日本に漂っているのが残念である。
 
さて、MTAもこの暗い壁に電飾広告スペースを貸し出す案を発表しており、どんな趣向を凝らした広告が登場するのか今から楽しみだ。しかし、心配することがある。広告料は電車のスピードによって決まるというが、「停止信号です」「前に電車が痞えています」など、たびたび止まる地下鉄が約束どおりにスピードを維持できるのかということだ。
by clairvoyant1000 | 2006-09-18 13:34


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