普段はほとんど見ることのないTVだけれど、お正月ということでザッピングを試みた。私はTVモニターを持っていないので、DVD用デバイスにチューナーをつなげてPCモニターで見ることになる。15年振りの日本の正月番組は、むかし見慣れたものとほとんど同じだった。
久しぶりの団欒を囲む視聴者世帯に向けて、たあいのない番組にしているのか「進化」というものが全く感じられなかった。まあ、これも日本の風物詩と見れば変わるべきではないのかもしれない。
フィラーをご存知だろうか?放送事故や番組時間が余った際に、代わりに映像と音を挿入して埋めるものを「フィラー番組」と呼んでいる。1日24時間の番組を放送するとすれば、随所に差しさわりのない内容で埋める必要もでてくるだろう。終始に見応えのあるドラマ、お金と時間をかけたドキュメンタリーや素晴らしいエンターテインメントばかり作るわけにはいかないし、見る方だって疲れてしまう。
しかし、いまの日本のTV番組は殆どが「フィラー番組」と言えないだろうか?ざっと見渡しても、ちょっと顔の知れたタレントを起用して作られたお手軽番組が殆どであり、見応えのある良質な番組は、そのわずかな「隙間」に埋められている。
ひどいのは、何でもかんでもタレントをスタジオに呼んでクイズ形式にしたり、つまらないコメントを喋らせたりすること。海外で制作された素晴らしいドキュメンタリー番組を放送するなら、ただ字幕スーパーやナレーションで解説するだけでよいものを、制作者は「余計な演出」をすることで番組を完全に壊してしまっている。
企業スポンサーは、このような電波の無駄使いに対して物を言うべきではないだろうか。米国トヨタのように。