私の知らない『私』が、病を通じて掘り下げられる

a0003694_16305125.jpgエレンベルガーが創造の病ということをいいだしたのも、彼がユングやフロイトの研究をしていたからです。

ユングは重い精神的な病にかかってましたし、フロイトも相当なノイローゼで、乗りもの恐怖症のようなところもありました。そしてフロイトの場合は、自分はノイローゼであるといって、その自分を掘りさげたのです。

ここで大事なことは、マイナスの事柄を創造の病とするには、マイナスと思っていることの中に「意味」を発見し、また自分自身を掘り下げる必要があるということです。

私、私と知ったようなことをいっているが、ほんとうはわからないところがいっぱいある。その私の知らない「私」が、病を通じて掘りさげられる。フロイトの場合であれば、そこで自分の子どものときのことを考え、「エディプス・コンプレックス」ということを考え出した。

ユングの場合は、自分の体験を考えて、「無意識」というのはいやな面だけでなくプラスの面も持っているとか、「無意識」は、個人的なことを超えて、人類につながるような普遍的なところがあるということをいったのです。


『対話する人間』(河合隼雄) 第3章 病と癒し より
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by clairvoyant1000 | 2007-07-10 11:15 | 9)心とspirit


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